銀の弾丸やエリクサーやエクスカリバーなどと言った強力なアイテムを探す保護者様がどうしても多いので、このまま指導しても改善は難しいだろうなと思うことは少なからずよくあることなのですが、なかなかこちらの言葉は伝わりません。
必要なのは、初級冒険者向け講座であり、こんぼうと皮の鎧と鎖帷子と思います。基礎の意味を知らないご家庭様が一向に減らないのは、勉強した分だけ積み上がっていくというオーソドックスな勉強をしたことのある方が少ないから、なのでしょうか。
個別指導塾から変更することになったご家庭様の一例から、少し掘り下げてみようと思います。
基礎は簡単には定着しません
中１の一学期に個別塾に通って、英語の三単現やbe動詞/一般動詞が定着しない状況だったので、家庭教師を探されたそうです。皆さん、どう思われるでしょうか。
私の見解ですとそんなの当然としか思えません。これは個別塾の指導力が低いと言っているのではなく、おそらく週１で通っただけだろうから、そんなのできなくて当然じゃないか？というだけのことです。
週１でどうにかすると豪語される先生や塾もあるでしょうしできるのかもしれませんが、実際にそんな方法があるのなら、中高一貫校で即深海魚になることなんて絶対に無いんですよね。ということは、そんな手法は存在しないか勉強する側の才能に強く依存していて私を含む凡人には役に立たない、ということだと思います
基礎の定着にどのくらい掛かるの？
私が三単現やbe動詞/一般動詞を定着させるために使う時間の見込みは、おおよそ週２の４ヵ月間という数字になります。週４なら２ヵ月ですね。
他の先生方や塾より多めだと思いますが、それは地力の低い子を伸ばすために必要な時間として見ているからです。○×をつけるだけの浅い勉強ではなく、全ての設問について何故それが正解か間違いなのかを全て説明させながら軽く100回以上の反復をしますが、それでも定着しないことすら普通なので、週１でどうにかなるケースの方が相当レアだと思います。
また、何かしらのテクニックでこの内容を短期間でマスターしたところで意味はないと思っています。私の場合、文法の仕組み（国語も含む）や簡単なルールを厳密に取り扱うやり方、考えることの仕組み、問題の解き方、テキストの使い方などなど、多数のことを学ばせることにこの単元の指導を利用しているだけので、その後の伸びが大きく異なります。
英語の勉強をしているはずなのに嫌でも国語力と論理的に考える力が伸びますので、入試のテスト内容が変わらない限り、英語は文法を重視していいのでは？と思います。個人でならスピーキングやヒアリングの勉強がしやすくなっていますので、そちらでやりましょう。
最初に４ヵ月掛ければ、後は本当に楽です
三単現までで４ヵ月掛かるなんてどれだけ程度が低いんだ？などと思われる方もいらっしゃるでしょうけど、その後平然と95点くらいは楽に取れるようになりますので、如何に基礎や土台の部分をしっかりつくることが大事かということが分かって頂けるのではないかと思います。
それに、一度文法に慣れてしまうと新しい内容はちょっと勉強しただけで終わります。不定詞や関係代名詞は英語というより国語の問題ですから、そちらの勉強をやっておくと理解が早いのかなと思います。
三単現までをたった４ヵ月徹底的にやり込むだけでその後の英語が随分と楽になる。これ、難しいですか？中１の夏休み前くらいまでの内容しかありませんから、このくらいは才能の影響は軽微だと思います。ですので、勉強でうまく行かないケースのほとんどは、演習量が少なすぎるかやり方がよくないかのどちらかではないかと思います。
数学や算数も同じだと思いますよ。分数が全くできなかった子が連立方程式を瞬殺する（指導が即終わる）様は、まさに基礎の指導の効果と重要性を感じるところです。
ということで、初級冒険者向け講座を軽視しないことをお勧めいたします。スライムにやられている先取り組がどれだけ多いか、そのあたりをもう少し考えるべきではないでしょうか。先取り組がスライムにやられなくなったら、その時に真似をしましょう。それで十分です。
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