上手く指導すると必ず上手くいく、そんなことは決してないのが難しいところですが、今回はかなりいい手応えがあった子をご紹介します。
このまま上手くいくと、理系上位層の持つ「関数や変化の割合の問題を簡単に解く感覚」をお伝えできそうです。論理的思考力と「理解するとはどういうことか」という感覚を組み合わせたものとでも言いますか、私も簡単な言葉では上手く表現できません。
意味が分からないまま丸暗記するようなことをせず、論理的に考え理解して使いこなすようなやり方をされている人は、大体この感覚を会得していると思います。
自分で感覚を養うことの大切さ
いくら指導側が説明したところで、自分で試行錯誤するのと比べるとどうしようもなく劣るんですよね。分かりやすい説明をすればするほど定着せずに使いこなせなくなる本末転倒状態に陥ることは、指導側の人ですと割とよく見知った事例だと思います。
なので、土台の部分だけをしっかり分かるように説明して、あとは散々使わせて考えさせます。ゼロからイチに転じる感覚なので簡単には行きませんが、会得できれば論理的思考の第一歩になります。
授業内容と会得できそうな感覚
授業でやったこと
- 変化の割合の言葉の説明
- あとは演習(変化の割合、グラフの描き方、グラフの読み取り方)
演習量は教科書比で軽く50倍以上はやってます。
会得できそうな感覚
- 変化の割合を公式を使わずに求める感覚
- 関数の使い方
- Yの増加量にbの値が関係しないことを実感できる感覚
- グラフを数秒で描くやり方
- グラフから関数を数秒で読み取る感覚
これらを1つ1つ説明して使えるようにしようとすると、何コマ使うか分からないくらい時間が掛かります。なので、詳しいことは言わずにひたすら問題と向き合って会得してもらっています。
今回の子については変化の割合の授業30分だけで、これら全部について8割位の理解度まで進んだように見えました。
しばらくこの感覚を会得できなかった子でした
今回の子は一年前や一ヶ月前くらいまでは反応が鈍かったのですが、今回はかなり手応えのある反応が返ってきました。
数ヶ月前に行った化学反応式の授業にて生まれて始めて「理解して使いこなす」という感覚を養うことが出来た子なので、その感覚を色々なことに広げてほしいものです。(化学反応式は教科書を一緒に読み進める授業1回で、中学水準の問題は説明されなくても解けるようになりました)
この感覚が使えるようになると勉強が10倍から20倍以上は楽になるので、今このタイミングで目一杯頑張ってほしいところです。
感覚の会得には、大体2~3年くらいは掛かるらしい
私の過去の経験から言いますと、十分時間を取って授業をするとパターン暗記解法の子でも2~3年以内にはこの感覚を会得できるようですが、今回はもう少し掛かりました。理系の難関大学に合格するには、この感覚を小中学生の時に養えるかどうかが勝負になると思います。
この感覚を会得できなければ、覚える才能があって環境に恵まれた子に理系科目で全く叶わなります。理系の大学に進学したいorさせたいのであれば、小中学生の時にしっかり勉強することと、論理的思考の感覚の指導ができる人に教わることが大事だと思います。
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