【算数】小6学力テスト、今回も三角形の面積で正答率21.1%

小学算数
この記事は約6分で読めます。

記事の見出しに衝撃的とありますが、
現場を見ていれば衝撃的でも何でもないと思います。

中学受験する子がかなり多いであろう私立、国立でも
正答率が40%台なので、難問の解法を叩き込むだけの
今の指導法の限界を示している側面も、もしかしたら
あるのかも知れませんね。

もっとも、別で書いていますが(3)の正答率が低いことに
ついては少しばかり違和感があるので、なにか落とし穴が
あった可能性もゼロではないかも知れません。

実は2年前にも正三角形の面積で

正答率が50%そこそこで激震という記事がありました。
私の方で拾って記事にしてありますので、
よろしかったらこちらも参照ください。

【算数】正答率が低かった直角三角形の面積の問題
2021年度、 令和3年度の全国学力テストの問題になります。 ネット上ではそこまで話題になっていないようなのですが、 記事になっていたのでご紹介します。 元記事と参考サイト 激震でも何でも無いと思いますが。 ...

記事等々はこちら

ライブドア記事の呟きがこちら。
リンク先に記事がありますね。

今年度の全国学力テストの問題などはこちら。

令和5年度全国学力・学習状況調査の調査問題・正答例・解説資料について:国立教育政策研究所 National Institute for Educational Policy Research
「令和4年度全国学力・学習状況調査 調査結果資料」について紹介いたします。

令和5年度 報告書・調査結果資料

令和5年度 全国学力・学習状況調査 報告書・調査結果資料:国立教育政策研究所 National Institute for Educational Policy Research
「令和5年度 全国学力・学習状況調査 報告書・集計結果」について。国立教育政策研究所が行った報道発表を紹介いたします。

せっかちな方へ

小6の算数の問題はこちらです
(直リンクはあまり良くないのですが)

クリックして23mondai_shou_sansuu.pdfにアクセス

上にもリンクを貼ってありますが、
国立教育研究所のWEBサイトからダウンロードできる
ファイルの内容から引用したものが以下の3枚です。

極端に正答率が低かった問題2つがこちら。
テープの幅が一定なことは、最初に書かれていました。

報告書の1ページ。

三角形の2問が極端に正答率が低いです。

公立、国立、私立別正答率

PDFのファイルではないのですが、
Excelにデータがあったので纏めてみました。

国立や私立でも正答率が五割切っていますから、
これに関しては良問だったということだと思います。

人数 2(3)正答率 2(4)正答率
公立 964,350 24.90% 20.80%
国立 6,191 54.90% 44.70%
私立 6,804 53.10% 43.80%
合計 977,345 25.30% 21.10%

仮に私が公立で平均くらいの子を指導していたら、
正答率は5割なら越えるとは思いますが、
6割は相当キツイのではないかなと思います。
(私が思う平均は私が指導して平均に届く子であって、
 手を掛けなければ200点を割る子が基本なので
 全体平均よりは大分低めです)

三角形の面積は大体10回以上復習する形になります。
それだけ考えさせても元からの生活習慣が足を引っ張り、
そう簡単には定着しないということが分かっています。

(3)と(4)の正答率に大差がないのは意外

(4)は注意深く問題を読まないと解けませんが、
(3)は中学受験組であれば瞬殺で、受験しない子でもこれだけ
 丁寧に書かれているので本来は解けないといけない問題です。

この2つの問題の正答率に大差がないのは腑に落ちません。
ここはちょっと不思議ですね。
正直、話題になっている(4)より(3)の方が気になります。

小学校の全国学力テストが最後の砦?

中学受験に引っ張られて、大学受験も高校受験も無駄に難しい
問題ばかりが増えてしまいました。今は小学校のワークが難化
傾向にあり、もはや義務教育なんて不要、上位層に向けて教え
さえすれば良い、という風潮が強くなりつつあるのか?と、
感じるくらいです。

今回の問題は、学力を推し量るのに難問は不要という極めて
良質な問題でした。例年、面積問題は鬼門になっていますね。

全国学力テストは例年、問題文を適切に読むことを
求められる問題が安定して出題されていますので、
この状態をいつまでも守ってほしいと切に思います。

このテストが難化し始めたら、日本は崩壊一直線でしょう。
他の牙城が既に全部崩れてしまっているので、
文字通り最後の砦になってしまっているように思います。

もっとも、中3向けの全国学力テストの英語がいきなり
完全崩壊していますので、もう時間の問題なのではと
思うところではありますが。

適切な指導をするには、現場の学力をきちんと把握する必要がある

ということを、もう少し意識して頂きたいと思うばかりです。
このテストの結果が現実であって、
衝撃的なんて思う方は上ばかり見すぎだと思います。

成績が上の子ばかり見ていると基礎を丁寧に教える
視点がどんどん欠けていきますし、そういう指導を受けて
いるからこそ、中学受験後に深海魚になったり途中で
理系科目が急落する子が後を絶たないのですから。

公立ルートも今は茨で、学校と別にしっかり教えてもらえる
場所を見つけるか、教科書を読んで自分で勉強していく子
以外は難しいと思います。教科書もちゃんと書いていない
ものが増えているので、補助の本を自分で探していかないと
なかなか厳しいでしょう。

どこまでも上の都合で子供を見ない政策をやり続けて
いますから、今後も堕ちていく一方でしょう。
だからこそ、ちゃんと勉強しておかないと後で大変になるよと
大人が言い続けるしかないのですが。

授業で改善を試みるのであれば

問題を解くために1つ1つ考えさせるような取り組みが
必要なのは間違いないのですが、それを今の学校で行っても
効果はほとんど無いでしょう。集団授業では限界がありますし、
考えさせる土台がほとんどない今の子には難しすぎます。
今は授業で考えさせる前に、基礎をしっかり固める十分な
演習量と授業時間を確保することが必要に思います。

考えさせる授業が小学生相手に対して無駄だということでは
ありません。私は普段から授業で考えさせる取り組みをして
成果を出していますし、当然今回の問題も解けるように指導
していますので。

個別指導ならともかく、学校の場で思考力云々言いたいので
あれば、土台の基礎をもっと強靭にしてからだと思いますよ。

適切に指導している塾や先生は少ない

ちゃんと考えさせるような勉強をさせなければいけない

そういう抜本的な対策が必要と考えているご家庭様が少ないが
故に、対応している先生や塾自体が少ないという現実があります。
ですので、こういうご時世でもちゃんと教えようと活動されて
いらっしゃる先生以外は、適切に教えられないと思います。

ただ、そういう志のある先生方でも小学生にまで対応されて
いないことが多いので、悩ましいところです。

理屈や仕組みをしっかり教えようとしているかどうか、
それを何度も何度も繰り返し確認しようとしているか、
十分な演習量を確保しようとしているかどうか、
という視点でその多くは選別できますので、
せっかくお金を出す場合は良い先生や塾をお探し下さい。

東金周辺であれば、私にご依頼頂ければそのあたりから
もっと細かいところも含めて全部やりますので、
早い段階でご相談頂ければかなり違った未来が見れる
のではないかと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました