【指導法】私が公式暗記指導を避けている理由

指導法
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私自身がそもそも大半の公式を暗記せずにその場で
解くようにしていたからでもあるのですが、生徒
さん達が考えなくなったり、ボロボロ間違うから
避けているんですよね。

ちょっとやそっとの勉強で成績が上がらない子に
公式暗記をさせても全くできるようになりませんし、
なんなら結構できる方の子でも安易に覚えさせると
ボロボロ間違えます。

原理や仕組みから説明したりさせたりしても
なかなか変わらないので、普段から頭を回していない、
回せない子が本当に増えたんだなと思うばかりです。

ちょっと長いので文章が緩めです。
ご容赦ください。

記事を書くきっかけの呟き

色々考察されていらっしゃったので、
私の感覚もお話しておこうかなと思いまして。

もっとも、私の独断と偏見でしかないので、
これが正しいと思っている訳ではありません。

呟きを拝見する限り、
低学力の子をよく見られている先生のようです。

公式暗記を避けるべきは

個人的には全学力帯で避けるべきと思っていますが、
特に有効なのはトップクラスと下位クラスでは
ないかと思っています。

トップクラスだけど理系科目で失速する子と、
下位クラスで公式ややり方を覚えることができない子に
対して暗記を避ける指導をすると、特に刺さります。

時間は掛かりますけどね。

公式を覚えられない子は

正直、たくさんいらっしゃいます。

と言いますか、成り立ちや仕組みなしに多数
覚えていられる方がそもそもおかしいので。

公式を覚えられる子でも、暗記を勉強の主軸にして
いると理数系ができなくなっていく傾向が極めて
強いので、ただ覚えるという軸だけの勉強はやはり
よくないのでは?と思うのですが。

公式が覚えられない子の特徴(単元別)

指導法で大きく改善する

分数の計算
正負の計算
文字の計算

これらの単元はやり方だけの指導に終始している
傾向が強いように見えますが、(問題集がそうなって
しまっている)その指導で解けるようにならない子が
山ほどいらっしゃいます。

と言いますか、平均点を取れていない子でこの範囲を
最初から出来ている子は一人もいなかったですし、
今後も出てこないと思います。
理解している子もどれだけいるのやら。

これらの単元は仕組みからの説明が極めて有効です。
指導次第で改善が顕著な単元なので、
この範囲の指導で指導側の力量を見るといいかも。

意外と何とかなる

面積の公式(円周と円の面積は鬼門です)
合同条件

このあたりは何とかなるケースがほとんどと
言いますか、私の指導範囲だと全員突破させて
います。(覚えるのに一ヶ月掛かる子もいます)

ただし、

この辺りはかなり難しい様子

因数分解(共通因数の括り出し後に再度処理をするケース)
平方根の計算

この辺は工夫して指導しても解けるように
なっていかない限界があるように感じます。

展開前後の式と因数分解の流れを見比べさせて仕組みを
理解させたり、具体的に意識的に見る数字と仕組みも
説明していますが、これを50回以上やっても入っていか
ないケースがしばしばあるので、どうやっても抽象化や
一般化して見る、理解することができない壁が存在する
ように見えます。

その場のノリで類題は解けても、
その状態を1ヶ月維持していたとしても、
指導を止めて一週間後には抜ける印象です。

また、平方根は変形に使える3パターンを
目の前に出しておいても使えないケースが
多発しているので、この辺に限界がありそうな
気がしています。

括り出しからの因数分解をテスト週間だけ辛うじて
解けるように指導したら、それまで楽々解けていた
因数分解(一般的なかっこが2つになるケース)が
全部抜け落ちた子もいらっしゃいます。

因数分解はパターンが僅か2つ、そして、それらを
同時に使うもう1つがあるだけなのに、それが
分からず、解けない。驚くほど一般化、抽象化が
できないんです。30回くらいやりましたよ?

上手く指導すれば必ず入っていくと思われる方は
多いと思いますが、どんなに上手く指導しても
受け手に余裕がなければどんどん抜けていく、
だから公式暗記している余裕はない、そんな風
に私は解釈して指導し、結果が出ています。

公式のチェックは出来ない方が普通かな

あてはめとか
計算の手順はギリギリ記憶できて
類推はできないから
簡単な符号チェックなどの
照らし合わせで
公式が正しいかのチェックはできない

平均くらいの子ですと、できない方が普通かな~。

そもそも検算や間違い探しができない子が物凄く
増えているので、公式チェックなどという高度な
ものができるようになって当たり前などと
期待してはいけない、くらいに思っています。

理科の電気の分野で、抵抗が増えているのに
電流が増えるのはおかしくない?と考える水準も
厳しいように見えます。

公式が正しいかチェックできる子は、偏差値60より
上の水準、大学入試を一般で受けられる水準で
ようやく何とかできるくらいではないでしょうか。

抽象化とか一般化のあたりじゃないかな

想起のタイミングで
なんらかの
混線が起こるんだと思う

こちらの先生は混線しているように見えている
ようで、何かしら根拠があるように思います。

一方、私の方は混線しているようには見えておら
ず、単純に記憶に残っていないように見えます。
これはどちら正しいか間違っているかという
問題ではないと思いますので、私の方の見解を。

そもそも、意味のない文字の羅列を覚えることが
難しいように見えます。だから面積の公式や
合同条件は何とかなるのですが、因数分解や
平方根、解の公式で極めて大変になるのでは
ないかなと。

解の公式なんか楽勝という先生も少なくないの
ですが、私が見ている範囲ですと一ヶ月掛かる
子も結構多いので、見ている生徒さんの層が
多少違っているのではないかと思っています。

そういう子でも頑張れば80点取ってくるので、
教えている方は大変ですけど楽しいですよ。

負荷の問題というより

公式なしの経路の方が
処理の負担が少なくて
済むのかもしれない
(まぁ仮説に過ぎんけど)

公式なしの基本計算だけを徹底的にできるように
持っていき、それだけで全てを処理させる以外に
できるようにする方法がありません。

負荷の云々というより、仕組みの抽象化や一般化が
できるかできないかの問題なのかなと思っています。

問題集1ページの中にある流れとか、
大問(1)(2)(3)の流れが分からない子が
平均水準に溢れている時代なので。

最近は流れを感じない設問も散見する有様なので、
問題作成側も分かっていないケースが増えて
いるような気もします。学校のテストは良質な
ものが多い方だと見ていて思いますが。

推論できない子は、日本では排除される

推論できない、つまり空気が読めない子は
日本ではどこまでも排除されます。

そういう子を企業が雇いたいと思うでしょうか。
思う訳がありません。

ですから、サポートが充実している義務教育の
期間にしっかり勉強させた方がいいですし、
規範も守らせた方が良いと考えますし、
支援級などもどんどん活用すべきと思います。

学校に文句を言う方は多いですが、
あれだけの支援を従業員に対してどこの企業が
やっているのか?と考えると、また違った見え
方になるのではないでしょうか。

勉強できなくてもできる仕事も、最近は
どんどん減っていますし。

学力の問題ではないと思います

公式を絶対使わないマンって
低学力に多い気がするんよな

ここで「低学力に多い」と書かれていますが、
低学力の指導者が公式を使わない指導をしている
という文脈に見えます。

実際は、低学力の子への指導では公式なんぞ役に
立たんので、この層をちゃんと指導していると
必然的に公式絶対使わないマンにならざるを得ない、
というのが正解だと思います。

くもわやはじきは賛否ありますが、仕組みや理解を
優先する指導もなかなか大変な単元です。
正直これらは相当使える側の公式なので、公立小では
公式主導の指導が主流にならざるを得なくなっている
ように感じます。

世の平均付近は学力低下が酷いですし、指導ノウハウの
継承も改善もロクに進んでいません。仕組みの説明や
理解するところまで指導してもらえるケースが減って
いくのは必然の流れでしょう。

推論できない子が増えている

短期記憶がダメで
推論は得意みたいなパターンも
あまりしらない

これは私も知らないです。

推論できない子が増えているので、
短期記憶の良し悪しで考えても仕方ないかも、
と思うくらいに短期記憶は関係ないと思っています。

理由としては、短期記憶が優位の子でも情報の
整理が出来ない子は、内容が難しくなってくると
短期記憶が弱い子と大差ない情報数しか保持でき
なくなっていくからですね。

なので、言葉の扱いが未熟なことの方が要因とし
ては大きいのではないかなと。

勿論、最低限の短期記憶がなければ推論は不可能
になるので、関係がゼロではないことは間違い
ありませんが。

学生が全体的に推論できなくなっているのは、
言葉を扱う力が育っていない、
勉強の場で考えさせてもらっていない、
普段の生活や遊びで考える機会や環境が無い、
このあたりが要因なのではないかと思っています。

これも私の勝手な推論でしかありませんが、
このあたりを改善していくと本当に変わるんですよ。
結局、大事な土台をできることから1つずつ
作り直していくしかないのだと思っています。

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