【参考書】「数学は暗記だ! 」数学を暗記で突破できる方は限定的です

タイトル：「増補2訂版数学は暗記だ! (和田式要領勉強術)」

先に書いておきますが、ちゃんと指導しようと考えている
方々の真逆の考え方が書いてある参考書になります。

まさかこんな本が売られているなんてと思い、
思わず手にとって読んでしまいました。

かなり限定されますが、この勉強法が有効な方も
いらっしゃいますので、しっかり書いておこうと思います。

増補2訂版数学は暗記だ! (和田式要領勉強術)
発売日:2014/12/05
価格：¥1,069

1 この参考書が有効な方とは？
2 ただ、この手法は一時しのぎです
3 暗記力の弱い子が使うと悲惨なことになります
- 3.1 課題に忙殺されている子は、足を止めてみましょう
4 中学生以下の子は正攻法で点数を伸ばしましょう

この参考書が有効な方とは？

高校入試で進学校に合格した子で、文系科目の偏差値が極めて高く
数学の理屈は興味もないしさっぱりわからないけど、
ただ覚えるだけなら得意という方向けだと思います。

高校入試を暗記だけで突破できるような暗記力が求められるため
この手法が使える方は非常に限定されます。
文系の成績がいいのに理系科目の理屈が分からなくて
困っている方に限って有効になるのではと思います。

志望先で言いますと、旧帝大の文系学科を目指しているけど
数学が大の苦手という方に向いているのではないでしょうか。

ただ、この手法は一時しのぎです

センター試験の数学、もしくは定期試験の点数だけどうにかしたい方
向けの参考書になっています。国立大の二次試験の数学が必要な方が
この考え方で勉強すると合格するのは難しくなると思います。

仮に、私がこのやり方で勉強したら大学に合格できなかったでしょう。
暗記量が膨大になりすぎる上に、覚えているものが相互に結びつかない
ので、理解しながら勉強していく理系タイプの方には辛い勉強法です。

暗記力の弱い子が使うと悲惨なことになります

数学の一般的な勉強法である、理解を深めることで解けるように
していくものと比べて、軽く数十倍くらいの暗記量が求められます。

暗記力の弱い子がこの勉強法を使っても
点数が取れるようになるまでの分量を覚えられないので、
安易にこの参考書に飛びつくと後で確実に後悔すると思います。

「数学が苦手な人でも点数が取れるようになるんだ」

と思ってこの本を読まれた方は多分失敗すると思うので、
なかなかに用途が限定されている参考書だなと思いました。

課題に忙殺されている子は、足を止めてみましょう

最近は課題が多い学校が多く、授業の内容を理解していない子は
課題を終わらせることに膨大な時間を費やし、
理解することに全く時間を割けていない現実があります。
分かっていないものを解いているのですから、時間がかかるのは
当たり前のことです。それは解くとも言いません。
教科書から答えを探しているだけで、いつまでも学力は伸びません。

学生時代の大事な時間を課題消化のためだけに費やしている子も
少なくありません。小学生のようにただ課題を消化するだけの
やり方では学校を卒業した後に何も残らないのですが、
あまりに課題が終わらなくて周りのアドバイスが聞けなくなって
いたり、休むという選択肢も選べなくなっている子も多く、
見ていられません。

私はIT関連の仕事で多くの現場を見てきたので知っていますが、
デスマーチで徹夜している開発陣は何の意味もない作業を
仕事だと言って延々と作業し続けていることも少なくないです。
そうやって身体や精神を壊す方も多いのですが、
同じことを生徒さんがやっているように見えてしまいます。

どう見たって健全じゃないと私は思います。