指導の実績として挙げるケースに、潜在能力の高い生徒をたまたま教えたから
そういう結果になったのではないか?という疑問が生じることがあります。
実際、某ビリギャルはものすごい勉強量をこなしていたとはいえ、
中高一貫校に入れる地力と受験を経験した下地があり、
受験科目を絞ってエネルギーを全振りして取り組んだ結果ですから
他の子はなかなかできないバターン、その子が優秀だったケースの1つでしょう。
その一方、私のこちらのケースは多くの方が真似されれば
この生徒さん以上に成績が出せる内容となっています。
正しい指導法、勉強法を知って頂ければもっと多くの学生さんが
成績を伸ばせるのにと、私はどうしてもそう思ってしまいます。
今回の記事で、上の記事のケースについてもう少し解説します。
三ヶ月で数学を75点伸ばした子のケースになります。
この子が優秀なだけだったのでは?
三ヶ月で数学を75点伸ばせるのだから、この子が優秀なだけではないのかと
思われる方もいらっしゃるかもしれませんし、実際大変優秀な学生さんだと
私は思っています。(テストで点数は取れないタイプですが)
ただ、知能検査をすると確実に平均を下回ると確信できる子でした。
この子は指導当初ワーキングメモリを2つしか使えず、
勉強ができないことで馬鹿にされていて萎縮していましたから、
指導自体は困難を極めました。
ワーキングメモリが2つしかないとどうなるか。
2桁ー1桁の繰り下がりを伴う引き算が暗算でできなくなります。
数字の距離を離すと解けなくなるということもありました。
それだけ頭の中に情報を留めておくことができないということですね。
ワーキングメモリ少ないということは短期記憶が弱いということで、
このことは、勉強のあらゆるところに影響します。
最初の頃は直前に解いた問題を解き直させても全く解けず、
都度一から指導し直しとなっていたため、授業自体は遅々として進みませんでした。
どうしてこんな問題も解けないの、できないの、すぐ忘れるのと、
ひとかけらでも思う先生では対応できなかったでしょう。
精神的な負荷を取る働きかけと、書く練習を続けて頭が活性化されてきたことで、
この生徒さんは少しずつできるようになっていきました。
指導は目に見える成果が出るまでが一番技量が必要なところなので、
成績が上がってから時給を上げたいと考えて家庭教師を使うとうまくいきません。
成績を上げられる先生かどうかを見極めるには、親が人の見る目を鍛えるしかないのです。
学習能力は、ある一定までは必ず伸ばせます
こちらの生徒さんは最終的にワーキングメモリが5~6まで増えましたので、
学習による訓練をあまり行わない昨今の教育方針に疑問が残る一件となりました。
勉強ができないやつだと小さい頃からレッテルを貼り、努力させない環境に追い
やる行為がその子の未来をどれほど奪うことになるのか、それを考えると言葉が出ません。
勉強量という視点ですと、この子は普通の学生さんがこのくらいやれば学校の
トップクラスとまともに戦えるよ、というくらいの分量はこなして頂きました。
いくら勉強しても成績が伸びないと仰る学生さんは多いのですが、
その原因を探すには、正しい勉強法で成績が伸びるに足る分量を本当にこなしているか
どうかを確認する必要があるのかもしれません。
コメント