【発達】難しい保護者側の意識

発達障害、ADHD
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ちょうどTwitterでいい内容を見かけたのでご紹介します。

どんな人でも、自分のお子さんの笑顔を消す言動を行う
可能性があるということを念頭に、向き合っていくべきなのかも
しれません。

Twitterの漫画

お母さまもお子さんも、お二人とも大変だったでしょう。
どんなご家庭様でも起こり得るものだと思います。

母親として最底辺まで落ちて勝手に病んだ話

期待という名の呪い

漫画の最初のページに書かれている内容にある、
『他の子と同じように』がんばれという親側の期待。
これがいとも簡単に呪いになる怖さついて、
どのくらいの方がご存知なのでしょう。

実際のところは、親が子どもに期待するのは当然だと
思っていらっしゃることの方が多いように思います。

ただ、その期待は『呪い』と表裏一体だということを
知っている方はあまりいないのではないかと思います。
そして、勉強はこの『呪い』が最も強く影響するものだと思います。

親の期待に届く子なら追い風になるけれど、
届かない子には呪いとなり、絶望にしかならない。
しかも、届かない間、延々と否定され続けるおまけ付き。

親側の気持ちもわかりますが、子ども側の気持ちを少しでも
理解できる方が増えてくれることを、私は願って止みません。

そして、こういうケースは本当によく見る

そりゃ、私のように発達障碍の子や塾や学校で伸びない子ばかり
見ていたら、ここに該当する子が比率的に多いのは当然な訳で。

・自分の子どもが勉強できないのは努力不足だからだ

親側が暗に思っているこの思考が、子どもをどこまでも
苛むのですが、そういう場面は本当によく見てきました。

これはつまり、

・平均以上取れなければロクデナシ(普通ではない)

と、無意識に思っているということなのだと思います。
実際は、世の中がそういう雰囲気で満たされているから、
なのかもしれませんが。

また、努力不足と思いたい理由もあるのだと思います。
努力不足が原因ではないとすると、
自分の子どもの能力が、”勉強という指標では”
平均以下であることを認めるしかありません。

この漫画のお母さまも、自分のお子さんが普通とは違うという
ことを受け止められず、その結果として自分とお子さんを苛む
結果となりました。

自分の子どもがどんな特性を持って生まれてくるかなんて
誰にも分からないことですし、受け止めるのは難しいですよね。
諦念の末に受け入れることができたとしても、周りの人から
心無い言葉が飛んでくることだって珍しくありません。
誰がこのお母さまを否定することができるでしょう。

色々大変でしょうが、最終的に受け止めることができた方に
ついて、私は尊敬の念に絶えません。
だって、言葉で言うほど簡単にできることではないからこそ、
あちこちで問題になっているのですから。

半分は偏差値50以下なのに

勉強や受験に関する記事やつぶやきを見ていると、
世の半分は偏差値50以下だということを頭から除外されて
いらっしゃる方はかなり多いのではないかと感じます。
だから、出来ない子に対してアタリが強いのではないでしょうか。

輝かしい合格実績を見て先生や塾を探す方は多いのですが、
できる子を指導対象としている先生や塾に依頼しても、
勉強していくことが大変な子を教えるのはなかなか難しいと思います。

成績の悪い子を無意識に見下していると、『何でこんな問題も
解けないんだ』という言葉が必ず出てくるのが人間というものです。
自分の子どもに対してだってそう思うのが普通なのに、
他人の子どもに対してだけ思わずにいることなんて不可能です。

想いは必ず言動や行動に出ます。実際、そういう先生に会って
失敗された経験を持つご家庭様も少なくないでしょう。

成績が良い子と成績が悪い子を教えるために必要なスキルや
考え方は、想像以上に違うのではないかと私は思います。

寄り添った指導をするために必要なこと

常に生徒さんを見下さないものの見方をしない限り、
寄り添った指導をすることは不可能だと私は考えています。

少なくとも、この点だけは他の先生に負けるつもりは無いと、
そのくらいの自負を持って指導しています。
だって私は他の先生方と違って、見下された側にいますから。

自分は勉強ができると思っていたら、
出来ない子を見下さずにはいられないのが普通だと思います。
特に、塾や家庭教師の先生方は勉強ができる方ばかりでしょう。
勉強くらいやればできるのが当たり前と思っていたら、
勉強ができない子を否定せずに向き合うのは相当難しいはずです。

勉強ができなくて困っている子をそのまま真っすぐ見れる先生が
どれだけいらっしゃるのか私にはわかりませんが、世間の風潮を
鑑みるに、その絶対数はかなり少ないのではないかと思います。

お子さんの一番の敵が保護者様になるケースが少なくない

お子さんを助けたくて塾や家庭教師を考える、
そう思われていらっしゃる保護者様がほとんどだと思います。

でも、内心では勉強ができないお子さんを否定し続けている。
保護者様がここを認めた上で考え方を変えないと、
勉強ができない子の状況を改善するのは難しいように思います。

そして、ちょっとやそっと教えた程度では改善しないお子さんの場合、
この傾向は更に強くなるようにも思います。

家庭教師ごときでどこまで踏み込んでいいものか、
私程度の者では答えが見えてくる気配はありません。
保護者様が気付く以外に改善する方法は無いように思います。

私がそこそこ上手く指導できていると思える理由

勉強でさんざん苦労して無力感ばかり募らせた私だからこそ
寄り添った指導ができるし、実際できていると思っていますが、
そう思えるのは、保護者様と認識の面で対立することが
頻繁に起こっているからなんですよね。

自分の子は努力しない、頑張らない、
そういう愚痴をもう何度聞いたことでしょう。
成績を単科70点上げた時でさえ、
いえ、5科200点上げた時ですら言われました。

確かに、努力しない、頑張らない子の方が多いでしょう。
ですが、頑張ってもどうにもならない子も少なくないですし、
上のように結果を出しても足りないと言われることだって
珍しくありません。一体どこまで頑張れば認めてもらえるのでしょう。

生徒さん達がどうすることもできなくて、手が震えて文字が書けない、
ただ泣くことしかできない、そういう場面を何度も見てきました。
それでも保護者様の意識はそう簡単には変わりません。
これが普通です。普通なんです。

保護者様の意識がお子さんの気持ちに残酷なほど影響する
ということを、どうかもっと知ってほしいと思います。
(成績が伸びないのは意識が悪い、という訳ではありません)

私が指導する場合、楽しくお勉強しながらも、その子なりに
しっかり成績を伸ばしていくだけなら正直簡単です。
ですが、その結果を認めてもらうのは本当に難しいと思います。

すべてを受け止めるのは難しいでしょうけれど

上手くいく場合でも、漫画のお母さまのように紆余曲折あった後、
少しずつ子どもを認められるようになって、
それに伴って状況が改善していくものだと思います。

認められるようになるには、時間が掛かります。
この漫画でも3年掛かってまだ反省されていらっしゃいます。
でも、それが普通だと思います。

私が見ているご家庭様でも、状況が改善するケースと
改善しないケースがありますが、改善するケースでも
1年~2年くらいの時間が掛かるように思います。

そして、状況が改善してもお子さんの成績が保護者様の
思うレベルに達していないことがほとんどです。
達していればそれはそれで無意識に目標が高くなって、
お子さんへのアタリが強くなるということも珍しくありません。

結局、保護者様が期待を肥大化させている限り状況が変わる
ことはなく、等身大のお子さんを見るようにしない限り
状況が改善していくことはない、ということなのかもしれません。

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