【指導側の意識】勉強ができない子ほど、正攻法を貫くべき

指導側の意識
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100ます計算が10分で終わらない中学生が
思いの外伸びるという出来事があって、驚いています。
こういう子に対して適切な指導が行われることはあまり無いので、
多少貢献できたのではないかと思っています。

指導のコツは、コツを教えないことだと私は思います。
「コツ」は、気付いて理解しなければ意味がありませんし、
公式も理解しなければ意味がありません。

理屈の分からないコツや公式などすぐに忘れて当然ですから、
そんなものに頼らないことが正攻法の勉強法なのだと思います。

指導は当然、数学一本

元々計算が10分も掛かる子です。国語も壮絶に大変で、
それが故に社会も理科もどうにもなりませんでした。

1問解くのに数分掛かってすぐ抜けますから
10時間使っても問題集を1ページ進められそうになく、
授業が成立しません。となると、数学しかない訳ですよ。

小1算数からやり直しが必要な中学生でしたが、
繰り上がり、繰り下がり、九九、小数、分数、正負の計算、
文字の計算から代入まで1ヶ月少々で駆け抜けました。

小1からやり直しが必要な中学生は無数にいますけど、
そういう子でもこんなにスタート時点が低い子は珍しく、
また、短期間でここまで伸びるケースも珍しいです。

この子よりスタート地点が高い子でも、
1ヶ月程度では文字の計算まで終わらないのが普通です。
私が普段指導してる他の子に比べて3倍くらいの速度で仕上がりました。

もっとも、元の点数は低いですが、基本的な論理的思考力が
平均以上にある子だからこその速度だとは思います。
思考力はどうやら、読み書きや覚える能力とは異なる能力のようです。

教育の意味とは

対策した単元の計算は全問正解でした。

私の授業でも文章を読み取って立式することはでき
なかったのに、グラフを全問正解してくるとは思わず、
思考力があるとやっぱり違うなと思いました。

それまではテストの結果を見せることを散々渋っていましたが、
今回はかなり晴れやかな表情をしていました。

この子のように、生徒さんの得意な分野に限っての指導でも
困難と向き合う力を育てることは十分に可能です。

教育とは、社会に出た時に一人で強く歩いていけるようにするための
ものだと思います。平均点や偏差値などというつまらない数字に囚われず、
教育の意味や意義を今一度考え直すことも必要なのではと思います。

適切な指導と適切な量を、適切な時期に

ちなみに、私が最も成績を伸ばした子は、
私が指導した中で最も検査上のIQが低い子でした。
(数学が70点以上伸びました)

才能がない人に教育など不要という風潮が強くなる中、
そんな子が一番大きく伸びたというのは、何とも皮肉なものです。
勉強ができなさすぎると最近はいじめられる傾向がありますが、
この子は、そんなクラスの雰囲気すらも変えてしまいました。

ただ、このような大きな結果を複数出している私でも、
成績を伸ばすために必要な時間を頂けなかったり
もっと早く相談して頂ければと思うことが多いので、
実際に大きく伸ばせる機会を頂けることはあまりありません。

勉強の大半は地道な訓練として取り組まないといけませんから、
それにはどうしたってある程度以上の時間を必要とします。

学問に王道なし

勉強ができない子ほど、正攻法を貫く必要があります。
そう覚悟しなければ、伸びるものも伸びません。
コツなんていくつも覚えていられないのですから。

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