＞教科書の内容を教えるだけではなく、本人の性格を根底から変えるような授業
上のような大変厳しい要求を見かけたので、
この記事を書くことにしました。
過去の経験と私の今の認識を踏まえて書いてみます。
実際、指導で性格が変えられるのか
文字通りの意味で性格を変えられるような経験をさせて
あげられることが可能なのは小学生の間までくらい、
または成長の遅い子で中学生までくらいのような気がします。
私自身は指導で未来を根底からひっくり返したことはありますが、
性格はよほどのことがない限り変わらないと思っています。
と言いますか、指導側は生徒さんの性格は変わらないと思って
指導しないと上手くいかないのではないでしょうか。
指導には限界があると思っていないと口調や態度や姿勢に
傲慢さが現れかねません。最も気をつけないといけないところです。
早い時期ならある程度は可能だと思います
小学生の間なら割と短期間で成果が出せるので、
自分も頑張ればできるようになるという成功体験を提供できます。
この経験によって前向きに物事に取り組み、どんどん成功体験を
積んで人生をいい方向に進められるという意味での性格の変え方
なら、多くの場合は可能だと思います。
意味を理解して自分で解いていく勉強は面白いですし、
他人のアドバイスは聞いた方がよいということや
目先の物事はとりあえず一生懸命取り組んだ方が楽しいということ、
アドバイスを貰ったり指導を受ける対象として男性や30才を超えた方も
悪い選択肢ではないということも知って頂くこともできます。
尤も、「性格を変える」というよりは意識を変えてもらうきっかけの
お手伝いという意味合いになると思うので、根底の性格までとなると
やはり難しいと思いますが。
過去にあった事例をいくつかご紹介してみます
私が過去に指導した生徒さんについていくつかご紹介してみます。
勉強が嫌で嫌で机に向かいたくなくてめんどくさがりやで
何もかも投げっぱなしだった子が宿題を自分からやるように
なった案件がありましたが、そうなるのに数年かかりました。
ご家庭には多大なご協力を頂きましたし、
下地の作成にその子の半生が使われているので、
他でもできるかと聞かれるとなかなか難しいと思います。
それと、根底の性格は変わっておらず意識レベルが向上したこと
によって行動が変わっているので、性格を変える、という意味合い
とはちょっと違う気がします。
その一方、今なら高校も危ぶまれるレベルだった子が
大学卒業までストレートに進むという物凄い成長を見せた子も
いらっしゃいました。性格が元からとても良かったので
ある意味その性格の通りに成長したのかなと私は思っていましたが、
今振り返って考えてみるとその子はとても環境に恵まれていました。
性格の良さはグレーゾーンの子だったからこそというものが
ありましたし、いじめも受けていましたが酷いものではなく、
その子と同じ方面で感覚が鋭かった私と相性が良かったようで
随分と信頼して頂き、精神的な安定に寄与できたと感じました。
家の壁に穴をあけるような荒れ方も一時期ありましたけれど、
そこでご両親が慌てなかったのも大きかったですね。
高校に上がれば収まるという姿勢を最後まで崩さずにいて、
それが現実のものとなった例でした。結局、その子の特性と
周りの環境で大部分は決まってしまうということなのかもしれません。
総論として
家庭教師は慣れていくとどうしても緊張感が薄れていくので、
「先生が言うからやらなければならない」という意識は
短期間で無くなってしまいます。
その期間を過ぎた後に取り組んで頂けるかどうかは、
それまでの結果や本人の意識や周りの環境に因るところが
極めて大きいので、家庭教師ごときが性格を変えるほどの
影響は与えられるとは思えないですし、思いたくないと感じます。
指導には絶対に限界がありますから、むしろ変えられるなんて
いう傲慢さを持ってはいけないとすら私は思います。
結果的に行動を変えるお手伝いができたらこれほど嬉しいことはない、
そういう意識で授業に望むくらいが精一杯ではないでしょうか。
もしそういう場に遭遇することができたら、一番嬉しいのは
きっと私だということは併せて申し添えたいところですけれども。
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